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ふらっと立ち寄った85パーセントの人たちが満足し、友達に薦めたい、また読みたい、孫に朗読して聞かせたい、読むと髪の毛が増えた、肩こりが取れたと思えるような日記を目指して酒にタバコ、女性にギャンブルにと明け暮れる日々を綴ります。

秒速160キロメートルで飛ぶ遊星からの物体X

   

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聖蹟PART2


幼き頃の我輩は『ファイヤーエムブレム』というゲームソフトを友達に借りました。とにかく、我輩には難解かつ意味不明で手探りでプレイの仕方を覚えていくゲームでした。シミュレーションゲームとやらの意味も分かりません。
やっていくうちに段々と、なるほど、敵陣を攻める陣取りゲームだということを覚えました。我輩、分からないなりに頑張りました。敵陣を攻め、ボスを倒し、次々とシナリオをクリアしていきました。ところが、何をどうやっても何度やり直しても、先に進めなくなったのです。我輩は苦悩しました。これはクリアすることができないゲームなのではないかと思いました。我輩は友達に相談しました。
休日に我輩の家で遊ぶ約束をし、カルピスを用意してゲーム機のスイッチをON、シナリオの途中でセーブした画面を見ながら開口一番に友達は言いました。

「あれ?ドーガは?」
 我輩には彼が何を聞いてきたのか分かりませんでした。
「ドーガ?」
 聞き返しながら、何となく思い出しました。
「鎧着た太った奴?」
「そう、そいつ」
「死んだよ」
「死んだ?」
「あの雑魚キャラだろ?とっくの昔に死んでるよ」
「雑魚キャラ?殺したら駄目だよ。やり直さないと」
「やり直す?」
「あれ?ペガサスナイトは?」
「ペガサスナイト?」
「空を飛ぶ奴がいただろ?」
「ああ、あいつ……。死んだよ」
「死んだ?」
「ドラゴンナイトもいないし、主要メンバーがほとんどいない」
「死んだよ」
「死んだ?」

我輩、ファイヤーエムブレムというゲームを見事に理解していませんでした。
死亡した仲間は生き返らないという当たり前の大前提の下にゲームが展開していくのです。また、生き残った仲間の数でエンディングさえも違うと告げられ、我輩の思考が止まりました。次の瞬間には、土石流のように今までファイヤーエムブレムに費やしてきた時間と労力が胸の内を駆け巡りました。うわわ、と頭の中が攪拌されたようになり、軽いパニックを覚えました。あいつも、あいつも、あいつも、死んだー!と、取り返しようのない事態に困惑しました。
ファイヤーエムブレムでは仲間が死亡した場合、そこでゲームをリセットし、シナリオの最初からやり直すのが正しいやり方なのだそうです。そんな基本的なことも知らない我輩は、死んだら死んだで仕方なし、とばかりに突撃を繰り返すだけの指揮官でした。そして、我輩がゲームに行き詰まった理由は単純に、もう残りのユニットが少ない、ということでした。何をどう頑張っても、物理的に先に進めない、戦力が足りないという状況で行き詰まっていたのです。
最初からやり直すかどうか、という選択肢を迫られた我輩は、すっとゲーム機の電源を落とし、ファイヤーエムブレムを友達に返しました。さようなら、我輩の冒険の日々よ。君たちの世界に平和をもたらすことはできなかったけれど、あらから十数年が経った今でも我輩は元気です。
 

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プロフィール

HN:
大崎 皇一
性別:
男性
趣味:
考え中
自己紹介:
悲しいけれど趣味と呼べるモノが読書とか音楽鑑賞とかしか浮かびません。あまり突飛でやったこともないホエールウォッチングとか書くと本当にやっている人が食いついてきて、やっぱりホエーは銀色でルウォッチはユナイテッド北にヨーソローとか専門用語を出されても困るので嘘はつくべきではないと思う。しかたないので、世が世なら、穴を掘り、そこにエイリアンを突き落として土をかけて埋めるという趣味を持っている、ということにしておきます。今の世がそんな世ではないことが、悔しいの一語です。
■著作
放課後のストレンジ-ユージュアル・デイズ (電撃文庫)
放課後のストレンジ〈2〉サムシング・ビューティフル (電撃文庫)
■連絡先
sun_kouichi_prime500◇yahoo.co.jp
◇を@に。

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