ふらっと立ち寄った85パーセントの人たちが満足し、友達に薦めたい、また読みたい、孫に朗読して聞かせたい、読むと髪の毛が増えた、肩こりが取れたと思えるような日記を目指して酒にタバコ、女性にギャンブルにと明け暮れる日々を綴ります。
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昔は結構していたけれど、最近は歳を経たこともあり、何となく冗談というか悪戯的なことをしなくなった。今でも、落とし穴を掘りたい願望みたいなものは魂に深く根差していると思うのだけど、なかなか実行には移さなくなりました。
昔、2つ年下の弟が修学旅行に行く前、前日の夜にウッシッシと漫画のような含み笑いでコッソリと準備が済んだ弟の旅行カバンをあさり、タオルにくるんで3キロの鉄アレイを入れた。何でそんなことをするのかと聞かれても、なんか楽しいじゃん、としか言えないのだけど、こんなしようもないことが昔はとても楽しくて楽しくてしかたなかったのです。まあ、我輩自身のキャラクターとかそういうものもあるのだけど、大人も子供も友達も先輩も後輩も大概のことは、ふざけるんじゃあねえぞ、と言いながらも笑って許してくれたのだけど、鉄アレイに関しては、もの凄く怒られた。
普段、温厚で、木の上に登ったけれど降りられなくなった猫を助けて引っ掻きまくられて血まみれになるような心優しい弟が、なぜか理不尽にも凄く怒った。我輩は、弟が旅行に行っている3日間ずっと、クックックって、帰ってきたらどんなふうに言われるんだろう、クックック、ケッケッケって、何をしてても鉄アレイのことばかり考えて愉悦愉楽の3日間を過ごしていたのに……。
さあ弟が帰ってきて、その反応おばご開帳となったとき、予想外に物凄い剣幕で怒られたのがショックでショックで寝込み、8千度の熱が出たというのは嘘のような本当の話なのだけど、かなり落ち込んだ。自分が悪いと分かっているけれど、そんなマジで怒らんでも、と不貞腐れた。
冗談とか笑い話で済むと思ったことが、ことのほか大事件に至ることが間々あるが、今とりあえず記憶に残っているのは、この鉄アレイ事件が我輩の中で挙げられる。楽しませようとしたことで怒られたのが、癪に障って癪に障って、それからというものしばらくのあいだは弟が釣りに行くにも学校に行くにも荷物の中に鉄アレイを忍ばせるようになった。弟の日課は、出かける前に荷物の中から鉄アレイを探して、それを取り出し「はいはい」って言う、という血も凍る冷戦が続いた。
冷戦がいつの間にか終わり、そのことも忘れかけた頃、高校を卒業し、実家を離れたのは我輩よりも弟のほうが早く、実家を出て行く前日、我輩は出て行く弟に寂しさを感じ、久しぶりに荷物の中に鉄アレイを忍ばせた。弟は引っ越し先に着いてすぐに鉄アレイに気づいたらしく、そのときは笑いながら「もうええねん」と電話をしてきました。1年以上も続いた壮大な悪戯の落ちが笑ってピリオドを迎えたことに今でも感動を覚えています。 継続は力なりだなあ、と胸に深く残っています。
鉄アレイを見ると、今でも思い出す青春時代の懐かしいエピソードです。
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