カテゴリーを仕事としましたが、特に仕事と関係のない話をします。
先日、自分が作るなら、観るなら、どんな感じの刑事を取り扱った新しい物語がいいかということを友達と話し合いました。その中の幾つかを紹介します。
タイムマシン刑事(デカ)――。
マイク・リチャードソン原作でジャン=クロード・ヴァン・ダム主演の『タイムコップ』という映画がありましたが、そこからヒントを得たわけでも何でもないですが、タイムマシンと刑事物の融合です。
主人公は世の中の未解決事件を憂う正義感の溢れる少年です。ある日、少年は十数年前に失踪した父親が使っていた書斎で隠し扉を見つけ、そこで作りかけの怪しい物体と怪しい設計図を発見します。なんとそれは作りかけのタイムマシンとその設計図だったのです。少年はそこで閃きます。タイムマシンさえあれば、世の中から凶悪で悲劇的な犯罪を未然に防ぐことができる、と。しかし、詳しく調べていくと、過去に起こったことに直接関与すると時空の因果律が崩れ、この宇宙を崩壊に導いてしまうことに気づきます。少年は悩みます。そこで出した答えが、過去の事件には関与せず、タイムマシンで犯人を見つけ、そして現在に戻り、現在の出来事として犯人を捕まえれば時間の因果に逆らわないということでした。悲劇を未然に防ぐことはできないけれど、この世の悪を片っ端から一掃できる。少年はタイムマシンの完成に勤しみます。その途中でメイドロボットとか作って横道に逸れたり、友達が野球に誘うので仕方なく近所の空き地に遊びに行ったり、夏は海で幼馴染の清美とのラブロマンス、夜起きて昼寝して、ふらっと立ち寄ったネットの掲示板でユーザーも管理人も巻き込んでの誹謗中傷の応酬、連日連夜の罵り合い、などを経て、ついにタイムマシンが完成します。
そして、感動の最終回『さらば!タイムマシン刑事!』において、主人公の少年マサシは、各都道府県が独自に行う警察官採用試験を受験するが見事に落ち、刑事になる道を断たれます。失意の中でマサシは嘆願します。自分が刑事になればタイムマシンで見てくるから世の中の凶悪事件の犯人を全て捕まえられると。ですがマサシは優しい警察官に飴玉を渡され「うんうん、君の言いたいことは分かるけど、世の中は別に警察官になるだけが仕事じゃないよ」と諭されます。マサシは贈答用の煎餅の空き缶に警察官の不採用通知や3年前に別れた清美との思い出の品を詰め、それをタイムマシンの中に入れて母校の裏庭の翌檜の木の下に埋めます。それから半年後、地元の会社で経理の仕事を一生懸命にしているサラリーマンのマサシを映し、そこでスタッフロールがボンジョビの主題歌と共に流れるのです。
エイリアン刑事(デカ)――。
犯人を捕まえると思わず食べてしまうという本能を持った地球外生命体が主人公の社会派ノンフィクションドラマ。勤続15年、一度も犯人を逮捕したことがない地球名シールド・和也・トーマスは捜査一課一係でも荷物的な存在であった。もちろん和也は正体を隠し、地球人の生活に溶け込んでいます。和也の正体を知る者は誰一人としていません。地球の重力の8万倍の星で生まれた和也は常軌を逸した身体能力を持っていますが、捕まえた犯人を片っ端から食べてしまうことで刑事になって今まで記録に残っている犯人検挙は皆無です。万引き犯すら捕まえられないと仲間たちに笑われている和也は苦悩します。捕まえられないのではないのです。食べているのです。刑事としての職務とエイリアンとしての食欲のあいだで葛藤を繰り返します。何で食べてしまうんだろう、と。そして、何で蛍はすぐ死んでしまうんだろう、と。あと、蝉は一週間の命などと言われているけれど幼虫のときから数えれば寿命の長い昆虫だし、成虫になっても実際は数週間ほど生きられればひと夏を生き長らえる蝉もいる。そんな俺は300年生きられるエイリアンだYO、などと取り留めなく考えていると、ある重大犯罪を犯した少女と運命の出会いを果たすことになる。
少女は何人も人を殺した容疑で指名手配されていた。エイリアン刑事ことシールド・和也・トーマスは普段から丸見えの頭に生えた蛍光色のエイリアン触覚の力で殺人犯の少女を発見します。それから普段から丸見えのエイリアン尻尾で少女をグルグル巻きにして捕獲します。おかしい、変だ、いつもなら0・2秒の早食いで犯人を食べてしまうはずなのに、少女を食べたいとも食べようとも思わない。和也は混乱します。普段から丸見えの67本のエイリアン腕で少女の身体を調べ、普段から丸見えの2メートルほど飛び出したエイリアン目で少女を観察しますが、どうしても食べたいと思えないのです。そこで和也は気づきます。
これは冤罪だ、と。少女は無実の罪で追われているのだ。そこから少女を救うための和也の戦いが始まります。テロリスト、傭兵部隊、キラー衛星などを次々と撃破し、独自の調査の末、事件の黒幕がボールペンのバネの全世界シェア98パーセントを占める巨大企業の会長マキシムであることに辿り着きます。激しい格闘の末、和也はマキシムを打ち倒し、少女の無念を晴らします。
そして、感動の最終回『さらば!エイリアン刑事!』において、全123話の中で最初の5分しか出てなかった捜査一課の仲間たちと飲み会を催します。そこで和也は、自らの正体を告げる決心をするのです。いつまでも仲間たちを騙しているようではマキシム打倒を裏から支えてくれた彼らの友情に報いることはできないと思ったのです。言葉に詰まる和也を仲間たちは固唾を呑んで見守ります。和也は深呼吸を繰り返し、自分がMユウショクガヤサイイタメダトテンションアガランワア星からやってきた宇宙人である、と告げます。仲間たちのビールを持つ手が止まります。和也は緊張のあまり「ケシャラギャ!」と母星語が出ます。ですが、後悔はありません。ありのままの自分を曝け出し、そしてそれが受け入れられなくても仲間を騙し続けるわけにはいかないのです。しばしの沈黙のあと、すっと尊敬している刑事課長が前に出ます。そして和也の肩に優しく手を置き「知ってたよ」と言うのです。ヤサイイタメがどうのこうのはちょっとよく分からないけれど、和也が宇宙人だってことは知ってたよ、と。今までひた隠しにしていた正体がすでにバレていることに驚きを隠せませんでしたが、そんなことよりも正体を知りながらも今まで仲間として接してくれていた彼らの友情に涙が止まりません。そこでスタッフロールがボンジョビの主題歌と共に流れるのです。
[2回]
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